リストラ対象外だからと安堵して何もしない人、危機感を持って行動を起こす人

 2019年に早期希望退職者を募った上場企業の実際の退職者数 (応募者が100名以下の企業は除く) を調べてみると、富士通が2,850名、東芝が823名、コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングスが950名、カシオ計算機が156名、アルペンが355名、アステラス製薬が約700名 (約ってどういうこと ? ) 、エーザイが300名、中外製薬が172名、鳥居薬品が281名、協和発酵キリンが296名と軽く調べただけでも計6,883名もが長年勤務した会社を早期退職しています。
 その他にパイオニアが700名、ジャパンディスプレイが1,200名の人員削減を明らかにしていますので、この勢いでいくと今年は2013年以来の1万人超えの可能性が見えてきました。

 大抵の場合、早期希望退職の募集要項で、例えば「45歳以上かつ勤続5年以上の社員」と対象者に条件が付けられるケースが多いのですが、ここで「やばかった ! 44歳なので対象外だから良かった~ ! 」と安堵して何もしないでいるか、「ちょっと待てよ ! 何年後かはわからないけれど、再び人員削減が実行されるようなことがあれば自分は確実に対象だぞ ! 」と危機感をもって行動に起こすかで、今後の人生が大きく変わります。
 35歳の方も安心できませんよ。次回は対象年齢が引き下げられて35歳になるかも・・・。危機感を持たられた方からのキャリア相談・・・実に多いです。
 次回のリストラ時にはいったい何歳になっているでしょうね。年齢を重ねる毎に就職活動に苦労するのも事実です。

 これまでの再就職支援の経験から業績の悪化による人員削減の場合、抜本的な改革を行わない限りは2度、3度とリストラを繰り返す企業が多いと感じます。この辺は社員として会社の中にいらっしゃる皆さんの方が肌で感じる部分が多いと思いますが、新しい収益を生むものが育たない場合、再び人件費を削減することになります。

 船底に穴が開き、修復困難な場合にはいつか必ず沈没します。うちの会社はもう駄目かなぁ~と判断されたならば、早めの脱出をおすすめします。

2019年6月21日
伊藤吉郎

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