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終身雇用が崩壊、令和を生きる会社員に一番必要なスキルは「転職スキル」だ !
4月19日に経団連の中西会長が「正直言って経済界は終身雇用はもう守れないと思っているんです」と発言され、それに続くように5月13日にはトヨタ自動車社長も「終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」と述べられて大きな話題となっている。
1990年代にバブル景気が崩壊し、リストラを導入する企業が続出して以来、未だに大人数のリストラを行う企業が減らないので、「終身雇用は崩壊したのでは・・・」と気付いていた方も多いと思うが、実際に従業員の雇用を守る立場にある方から「終身雇用は守れない・・・」と聞いてメガトン級の衝撃を受けた方も大勢いることだろう。
企業は終身雇用は守れないと開き直る一方で、政府は年金の財源不足から70歳までの定年延長を唱えている。今後、どのように決着していくのか注目していきたい。
終身雇用が崩壊した令和の会社員は、リストラされない人財となるか、転職するか、起業するか、個人事業主になる以外に収入を得る手段がなくなる訳だが、2002年より再就職支援に携わってきた中で強く感じるのは、今の会社員の”転職スキル”は極めて残念なレベルにあるということである。終身雇用が守られていた時代には転職スキルを身に付ける必要がなかったことが原因なのだが、終身雇用が崩壊した令和の時代を生きるには間違いなく”転職スキル”が会社員の必須のスキルとなってくると思われる。
もちろん、キャリアの棚卸、応募書類の書き方、面接スキルなどの転職スキルを高めても市場性がなければ、転職先も再就職先もないので、プロフェッショナルとしての専門性に磨きをかけ続けることが大前提ではある。
最近では、協和発酵キリン、エーザイ、大正製薬、NEC、千趣会、日本ハム、旺文社、アルペン、カシオ計算機、コカ・コーラ、富士通、パイオニア、東芝、ジャパンディスプレイなどリストラのニュースを目にしない日はないくらいに人材の流動化が進んでいる。
こうした人材流動化の時代 (大転職時代) を生きる会社員に必要なスキルは、「コミュ二ケーション力」や「マネジメント能力」などよりも仕事からでは決して身に付けることができない「転職スキル」と考える。
リストラのピンチを迎えて慌てないよう早い段階で「転職スキル」を備えて武装しよう。転職スキルを身に付けた者にとっては、リストラは大チャンスだ。
2019年5月15日
伊藤吉郎