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希望退職制度だからといって希望が叶うとは限らない
あくまで社員の自主的な応募が前提なのだが・・・
会社の業績が悪化し、その再建計画の一環として人員削減のための「希望退職制度」が盛り込まれます。顧客、株主、得意先、仕入先、従業員などのステークホルダーに仮に「当社は余剰人員1,000名を削減し業績回復を目指します。」とコミットメントした場合は、なにがなんでも1,000名の人員削減をしなければなりません。
希望退職の募集期間が終わり、蓋を開けてみたら制度への応募者が予定の半分の500人であれば、再建計画は大失敗であり、逆に2,000人と大幅に超過すると今度は社員不足で組織が機能しなくなってしまいます。また、希望退職制度を導入すると他社でも十分に通用する優秀な社員が真っ先に辞め、評価の低い社員ばかりが残ってしまいます。これでは組織はますます機能しなくなります。
では、人事部門はどのようにこれらのリスクを回避するかというと「希望退職制度」という社員の自主的な応募が前提の制度ですが、通常は応募者をコントロールすることになります。
応募者のコントロール
基本的には直属の上司の面談によって応募者をコントロールします。評価が高く優秀な社員には、今後も期待している旨を伝え、残ることを強く要請することになりますが、能力・意欲面で配置困難な社員や役職・職務などポストの関係で配置困難な社員は、希望退職制度に応募するように面談を行うことになります。
つまり、これを機会に辞めたいと考えていた優秀な社員は引き留められて残留したり、残りたいと考えている社員が執拗に希望退職制度に応募したらどうかと勧められ、最終的に退職を選択する事が起こる訳です。希望退職制度でありながら必ずしも希望か叶うとは限らないのです。
自社に希望退職制度が導入されたらどう考えるべきか
希望退職制度が導入されたら何を優先するべきかは、先ずは自分の人生を第一に考えないといけません。
社内での評価が低く、直属の上司から「今後、ご活躍頂けるポジションを用意できそうにありません。」とかネガティブな面談を受けた場合は、残念ながらこれまでの仕事の評価がされていない訳ですので退職された方が良いでしょう。
勤務態度が悪かったとか、組織人として協調性がなかったとか自身に心当たりがあるのであれば、今後は反省して新たな場所で一生懸命に頑張ればよいだけの話ですし、評価が低い理由は、たまたま上司と相性が悪かっただけかもしれませんし、たまたま配属された職場では自分の適正にあった仕事が与えられず、実力を発揮できなかっただけかもしれません。
また、優秀であっても役職などポストの問題で退職勧奨を受けるケースもありますが、残っていても自社にはこの先のポジションがない訳ですので、退職して外に新たなポジションを求めた方が、この先の人生は輝かしいものになるでしょう。
逆に上司からの評価が高く、残ることを強く要請された場合には、会社に期待されているので今後も自社で活躍すればよいかと思いますが、今回のリストラで自社の将来に不安を感じたり、前々からやりたいことが明確にあって転職を考えていたのであれば、どんなに強く上司から慰留されようとも希望退職制度のチャンスを逃さずに応募すべきと思います。上司から高く評価されていることは素晴らしいことですが、この先もずっとあなたに目をかけて最後まで面倒をみてくれる訳ではありません。
また、希望退職制度の対象者は、「退職時の年齢が45歳以上で勤続10年以上・・・」などと条件を設けるケースも多々ありますが、自分は40歳だから対象外だと安堵するのでなく、会社の業績が悪いので人員削減をしている事実をしっかりと認識し、今後の自分の働き方を見直しましょう。リストラは一度で終わるとは限りません。二回、三回と繰り返す会社もあります。今回は対象外ですが、次回は上司から退職勧奨を受けるかもしれません。そうならないよう高い評価を得られるよう仕事への取り組み姿勢を変えましょう。希望退職制度の対象外だと加算金も何もなく、おまけに自己都合退職になりますが、今の仕事に魅力を感じることができないならば、去ることも考える良い機会かもしれません。
自社に希望退職制度が導入されたら先ずは自分の人生を第一に考えましょう。
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